自律神経失調SHOW

前回の記事から2年経ってしまった。
長文を練習しようとして作ったブログだったのだけれど、
やっぱりそこまでサラサラと気軽に書けるものではないみたいだ。
(というかツイッターも昔ほど呟かなくなっているのに
 長文となるともっと難しくなるに決まっている…)

現状としては、まだマンガの連載があったり
今年も単行本を出してもらったりしていて、
なんとか東京にしがみつけている。

でも、家から出ずにマンガを描き続ける生活を
数年間も続けたことが今までなかったからだろうか、
去年の夏から秋にかけて体調を崩した時期があった。

自分はごくまれに自律神経失調症気味になる傾向があるのだけれど、
それに似た症状だったので「ああまたアレか」と落ち着いて対処…
…できれば良かったのだけど、久しぶりに来た不調なのに加えて
加齢の賜物なのか快方まで時間がかかってしまった関係で
今回は色々とオロオロしてしまった。

でも体調を崩したからこそ得た教訓も色々あったので、
今回はそのことを備忘録的な意味も含めて
ここに書いておこうと思います。
以下、ただのアラサーおじさんの不健康日記だから注意だ!

でももしかしたら似たような不調に悩んでいる人にとって
なにかのヒントになるかもしれないので
妙齢の駆け出しマンガ家が自律神経失調症になってから
なんとか回復して得た知見として読んで頂ければ幸いかもしれません。


   ◇ ◇ ◇


とっかかりは去年の初夏くらい、
単行本作業や月々の連載原稿をこなして
色々と充実していた時期だったのだけれど、
急に片方の目の視力がガクッと落ち、ピントが合いにくくなる。
コンタクトの度を変えてみてはその視え方に慣れず、
また変えてみて…みたいなことをくり返す。
近くを視る分にはあまり問題はなかったので、
原稿は普通に描けていた。
そしてある時、脱稿したことだし居酒屋でビール♪
と飲みに行ったらいきなり胃が気持ち悪くなり、
軽い吐き気もでてきて食事もお酒も喉を通らず、
すごすごと退散する羽目になった。ビビる。

疲れているのにいきなり酒とか飲もうとしたからだなきっと!
と反省しつつ内科に行って胃に聴診器を当てられると
「胃から全然音がしていない!!!」
とか言われて「とても新鮮な台詞だ…!」と思いつつお薬を頂いて飲む。
そのまま騙し騙し生活していたものの、
相変わらず目の焦点は合ったり合わなかったりだし、
そのせいか肩も首もすごく強張っている。
軽い目眩はするし、気を許したら身体がぐるんぐるん回り始めるし、
それが気持ち悪さを誘発した。吐き気もカムバックだ。
これ総合的に色々おかしいな…と思っていたところで
運良く仕事が一段落したので、
今のうちに不安なところ全部診てもらおうと

■目医者行く → 眼精疲労・ドライアイだよ 目薬してね 目を労ってね
■首肩こり整形外科に行く → ただのストレートネックだよ 湿布あるよ
■念のためアタマのMRIも → 異常ないよ よかったね

どこを調べても根本的な原因は分からない。
相変わらず気持ち悪さが拭えず、それは不安感も誘発した。
抑うつ状態みたいになってきた!
眼精疲労! 首肩こり! めまい! 胃部不快! 不安感!
なんだこれ不定愁訴ゴレンジャーの波状攻撃ダッ!!
ダッ! じゃねえ!!!!!
原因はよくわからないがとにかくなんか不調、
命に関わるほどじゃないが体のどこかが
ずっとスッキリしないという状態。不安感。
かくして最後に行き着いた病院は神経科
数ヶ月に及ぶ自律神経失調SHOWの始まりであった。

冒頭でも言ったように過去何度か
こういう不定愁訴に襲われる
自律神経失調症になったことがあるので、
その時の経験も踏まえつつお医者さんと相談する。
不安感と慢性的な肩こりの緩和の為に
お薬はデパスだけを処方してもらった。

前も似た様な状況になったときも
デパスを少し飲みつつ時間経過したら
気づいたら治っていたので、今回もそれに倣おう。

しかし迂闊であった、
年を重ねたこのアラサーおじさんの体!
もはや若いころの肉体とは違う、
自律神経が良くなるまで時間もかかる。
というわけで今までよりも長い期間で
デパスを飲み過ぎてしまった。

するとある日、
肩こりの薬でもあるはずのデパスを飲んでいるのに
逆に肩が異様に凝るようになってしまった。
しかもなんか頭が全然働かない。
トーンやモヤがかかっているみたい。
作業にいつもの倍くらい時間がかかる。
物忘れも多い気が…
なにこれこわい。まずいですよ!
気づいたら頬もかなりコケていて、体重も数キロ落ちている。

やったー痩せた! みるみる痩せる! デパスダイエット!
言ってる場合か!! お医者さんに相談した。

どうやら薬が効かなくなってきてて現状の処方量では足りず、
解脱のような状況になっていたみたいである。
もっと薬の強さを増すという選択肢もあるけれど
それは絶対にラリラリ一直線になってしまう…ので
じわじわとデパスを減薬することになった。

…のだけれど、心を落ち着かせて眠気を誘発する効果もあるデパス
寝る時はその入眠パワーに頼るようになっていたらしく、
アタイ…デパスなしでは眠れない体になっちゃったの…
布団に入る。朝になった。さらには昼になった。もうじき15時…
ギエエ体が壊れてしまっているよお!? 怖いよお!!
これ本当に大丈夫なのん? お布団の中でiPadいじくるん!
そしてネットで不健康な日記やら読んで更に陰鬱としたのん!
デパスに頼りすぎてデパス抜きじゃ生きられなくなった人が沢山いるん!
今自分は解脱症状がでて眠れないし不安がきそうで怖いし
首と肩の凝りが異常で枕に頭を置いててもなんか疲れているし
(体調不良で安眠枕を模索していたのはこの頃)
心臓の動悸もすごいことなっているけど
俺はここでデパスと縁を切らないと大変なことになるん!
れんちょんのマネをして現実逃避をしている場合ではない!!!
突然ですが現在発売中「のんのんびよりアンソロジー はるっ!」に
ノッツは4ページ参加してます!!!(CM!!!)

…で結果的にどうなったかというと、運良くデパスも断薬できて、
自律神経失調性の方も冬が来る頃にはなんとな〜く寛解していた。
2014年の夏〜秋にかけてずっと調子が悪かったことになる。

なんかとっちらかってしまったのでまとめると、
・去年の7月くらいから色んな体調不良が始まったよ
自律神経失調症だと思ったのでこれまでどおりデパスを飲んで治そうとしたよ
・そしたらデパス長い間飲み過ぎて逆に解脱症状で苦しんだよ
デパスが体から抜けて時間経過したら症状はラッキーにも寛解していたよ
ということなのだった。最悪の時期を過ぎてしまえば
一体何だったんだあれは…って感じの体調激悪時期だった。


   ◇ ◇ ◇


で…肝心の、
「体調を悪くした原因やキッカケはなんだったのか」

という疑問が生じるが、
自律神経失調症というのはどれそれが直接の原因と
言い切れないなんともモンワリとしたヤツなので、
色んな不摂生が総合的に結実したんでは、
としか言いようがなかったりする。

個人的にはだけど
姿勢の悪さと運動不足で首の血流が悪くなって、
調子悪くなった脳が自律神経を狂わせたんじゃ
ないかなぁと疑っている。
「首の血流? よく分からんこと言ってるんじゃないよ」
と思われるかもしれないけど、これは昔にも実際経験したことがあって、
工場勤務時代、毎日のようにクレーン操作の仕事が重なり、
(自分はなぜか小型移動式クレーン運転技能講習修了者である)
一日中ずーーーーーっと上をむいてクレーンを操縦していたら、
クレーンから降りた瞬間猛烈なめまいと気持ち悪さに襲われ早退した。
家に帰ったものの夏なのになぜか体が猛烈に寒くって
毛布をかぶってグッタリしていた時がある。
あの頃も自律神経失調になったのだけれど、
クレーンで首の血流が悪くなったのがきっかけだった。

なんか、よくあるらしい。
海外旅行に行って、背の高い建物などを
ずっと上を向いて観ていたら
ある日突然体調を崩すようなこと。
(名前があったようなきがするけど、思い出せない)
首の血流大事だと思うので皆さんも気をつけてください…

……と、自分は首の血流不全から不調がきたのでは、
と勝手に思っていたのだけれど、
マンガ家イラストレーターの古屋兎丸先生が
このようなツイートをしていたのがとても衝撃的だった。

…これ…! ここまでひどくないにしても
すごく心当たりのある似たような症状が自分にも…。
デジタル機材から受けるストレスに体が反応というのも
やっぱりあるのかもしれない。
僕も2年間ほぼずっと液タブとにらめっこをしていたわけだから
ここらで何かがリミットブレイクしてもおかしくない。
(自分は兎丸先生ほどバリバリ働けてはいないとはいえ…)

それに今回の不調のキッカケって
眼精疲労からだった気もするから、
姿勢の悪さやデジタル機材からのストレス、
視神経の疲れが脳も疲れさせて…と
色々加速したんじゃないかな〜
かな〜とかかも〜とか憶測ばかりで
医療に基づいたこと何一つ言ってないので
なんかアヤシイトンデモな記事っぽくなってもきましたけど、
まあ個人的な意見ということで話半分に読んで頂ければ…


   ◇ ◇ ◇


とにかくも今現在は体調が最悪な時は抜けだしており
当時よりは健康です。おくすり何も飲んでない。
体調が改善したのは、
自律神経失調症の原因だったかもしれない不摂生に
前より気をつけるようにした成果なのかもしれない。
具体的にどう気をつけるようにしたかをまとめると、

●首の角度が悪いと首こり肩こり→不調に繋がるので
 モニタや椅子の高さ液タブの角度など色々と探るようにした

●首肩が凝り固まらないように定期的に
 整形外科で電気とマッサージを受ける
 あと前よりはお風呂にお湯を張るように

●枕が高すぎてそれも首の負担になってた気がするので
 安眠枕を買った(テンピュール

●毎日のように寝酒をしてたのをやめた
 平日は酒なしで眠りましょう 週末のみ酒を解禁する
(これは週末に飲むお酒が美味しくなるし体重も減るのでオススメです)

●目にもっと気を配りマンガ作業用メガネ外出用メガネ使い分ける
 モノクロ作業の時は液タブの光を柔らかくするソフト(f.lux)を起動する。
(f.luxは目の疲れに予防にすごく役に立ってるきがします)

●お薬は大丈夫なときは頼らない、飲む時は細心の注意を
(もうデパス怖い! 解脱マジ勘弁!!)

そんな感じです。
(これらで改善したのはあくまで自分の場合なので…悪しからず)
(もしかしたらこれらも別に体調改善に関係なくって、
 ただ普通に時間経過で回復したという可能性もあります)

今回、不幸中の幸いだったのは、
自分のなった体調不良って完全に身体と精神がやられて
無気力になって何もできなくなるレベルまでじゃなく、
「なんか調子悪い」「リミットかかってる感じ」程度っちゃ程度なので
実際の仕事はやれていたことだった。
仕事の合間に夏休みの妄想イラストも描けていたし、
マンガ原稿は落とさなかったしライブもなんとかこなせたりした。

だからもしこれ読んでる方の中で
もっと深刻な自律神経失調症状の人いたら
こんな駄文読んで「ふ〜ん」とか思っていないで
おとなしく病院へGOして
処方されたお薬をちゃんと飲んでくださいね…
(そんな人いないことを祈ります)

しかし、
深刻なレベルでは無いとはいえ不調は不調で、
今まで大丈夫だったことが大丈夫じゃなくなるのが
とても辛かった。

一番厄介だったのは、
自分の体調に対しての不信感がマックスだと、
「今から体調が悪くなったらどうしよう」という不安で
本来大丈夫だったかもしれない体調を悪くするってこと。
〆切前やライブやイベントの前にその状況によく陥っていた。
パニック障害の予期不安ってやつに似ていますが)

こころとからだというものは、
ホントによく出来ていて、そして難しいもんですね。
体で気になるところがあると、そこを気にしすぎて
どんどん気になるところがでてきて、それで不調が加速する!

前よりは良くなったとはいえ、実は今も
「完全に健康だなあ〜」なんて思えてはいなくて、
眼精疲労やドライアイはうっすらまだあるし、首や肩も凝っている。
めまいまでいかなくても、たまに少しフラフラするときもある。
もう少し若かったなら 不調だった時期を忘れるくらいに
ケロッとなにもかも元通りの健康に戻れたのかもしれないけど、
なかなかそうもいかないようだ。
マンガ家になってからすっごい視力落ちた! 戻らない!(職業病)

年を重ねると、一病息災じゃないけれども
なにかしらの「ステータス異常」が絶対自分に張り付いてしまっていて、
それとうまく付き合いながら生きないといけないんだなと思うようになった。
実際自分も、いつまた去年みたいに体調を悪くするか分からない。
ただ、調子がまたどんどん悪くなる前に
先回りして処置できるように予防行動が出来るようになった。

不調はいつも側にあるって考えていると
突然不調になっても驚かずに対応できるし
好調なときも油断して調子に乗りすぎずに
安定した生活ができて良いのかもしれない。

不調を気にしすぎてさらに不調になるよりも、
まあ月並みな言葉ですけど前向きに
段取り良く先回りして対応していけば
あとは結構時間が解決してくれることもある、
そういう教訓を得ました。今回体調を崩したことで。

ほんと、とにかく、
「体調悪くなるのが不安で体調悪くなる」の、
すげえ勿体無い!!

どうあがいても人間は
ある日突然体調は悪くなる!
という前提で予防策やら張って、
不調が来たら来たですぐ対処できる状況や心構えを
作っておくほうが建設的なのかな、と思いました まる



   ◇ ◇ ◇



以上、すごく長くなったけれども
自分が去年体調を崩した時の忘備録でした。

30超えたら健康面でガクっとくるぜ…とかよく聞くけど、
そんな大したことないじゃないか、と思っていたのだけれど
去年いきなりズンときた感じ。
このブログを読んでくださる皆様の年齢を存じ上げませんが、
もし近い年の方がいらっしゃったら、
一つの参考や注意喚起になっていれば…
…全然参考にならないか。

「つうか貴様のそんな体調不調なんて全部、
 ただの運動不足が原因なのでは? 外でて走れや引きこもりが!」

とお思いになった方もいらっしゃるだろうけど、
自分も体調悪い時にそれは思っていて、
そのときのツイートがこちらです。

まずはこの時に買ったズボンを洗濯することから始めたいです。